それから
何周も何周も季節がめぐり
人が増え、町ができるようになった頃のこと。
このあたりには、
全部で6つの町がありました。
北のまち、東のまち、海のまち
南のまち、砂漠のまち、西のまち。
町同士はとても仲が良く
お互いの町に遊びに行っては
物珍しい違いを楽しみ、また自分たちの町へ帰っていくのでした。
人と同じように、町も歳を重ねていくと
家も道具も古くなって 立て直したり作り直したりするものが増えました。
亡くなった人を弔うお墓もできました。
時が経っても町同士は仲の良いままでしたが、
ある時 一つだけ大きな違いに気付いた東の町のものがいました。
「北の国は、どうしてお墓がこんなに少ないんだ?どうして年寄りも皆 若々しく元気なのだろう?」
言われてみれば、と 気づけば北の国は
誰もが認める長寿の町、年寄りも皆元気がいっぱいの町になっていました。
なぜ北の国は長寿の国なのか、
その答えは見つけられませんでしたが、
「この町は 長寿の町」この言葉だけが
一人歩きして知られるようになってきました。