青年の住む町は

目に見えない「菌」を大切にする町でした。

中でも青年の家は 代々大きな味噌蔵を構えており、

調味料としてだけでなく 病にかかった尋ね人に

古い味噌をわけて 町の食養生としてのお医者さまを担う家でした。

そこで育った青年は、昔から「菌」が見え、

菌や野菜と話をすることができる不思議な力がありました。

今でこそ不思議な、と表現しますが

一人っ子の彼にとって、菌たちは 遊び相手、友達のような存在だったのです。

オリスが書いた手紙の入った瓶を開けたとき、

そこにはたくさんの「菌たち」がくっついていました。

この菌たちには見覚えがある、とすぐに思い浮かんだのは きのこでした。

そして菌たちは口々に「長寿の秘密は 森の奥から生まれた金のきのこ」と言うのでした。

このことを聞いたオリスは、

町の人が大好きな このジャングルだけでとれる

金色をしたきのこの生息地に青年を案内したのでした。

神のきのこの物語

自然の恵みが与えた奇跡
長寿の町のジャングルの奥地に住む変わり者のオリスと海を越えてきてやってきた青年からはじまる「神のきのこ」の不思議なお話しです
Story22 画家になった少年と金の雫

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Story21 心の病と祠に導かれた少年

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Story20 鳩が運ぶお守りと、消えた病の巣

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Story19 走る男と広まる祠のうわさ

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Story18 村のはずれの金の雫の祠

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