この噂は瞬く間に知れ渡りました。
理由を突き止めようと、数人の学者がジャングルへやってきましたが
すぐにこの理由はわからないようでした。
そうして またジャングルが静かになった頃、
青年が戻ってきました。
オリスはことの一件を青年に話すと、
青年も驚いたようで、また金のきのこに会いに行くことにしました。
このジャングルは生命力高く、
いつ来ても様子が違っています。
それだけ植物たちが元気に育つので、
1日もすれば 景色が変わってしまうのです。
それでも「あっ」と青年が立ち止まった場所はやはり、
木の目印のそばでした。
「プンプン怒ってるよ」と青年は言いました。
青年が 金のきのこのつぶやきを訳してくれました。
♪♪
まったく、なんだって あんなに多くの大人が
むさぼるようにおれ様を採っていくんだ。
生まれただけで最高だから
採って人の力になることは なんてことない。
おれ様は神に頼まれた医者なんだから当然だ。
さいこう、さいこう、もう最高。
だっても、そんなに乱暴に扱わないで、
すくうように手にしてくれたら嬉しいのさ。
♪♪
そうか、とオリスは金のきのこに申し訳なく思いました。
オリスがきのこに向かって謝ると、なんとなく、気が済んだようでした。
金のきのこは偉そうなやつだと思いましたが、
ちょっぴりプライドは高いけれど、
実は素直なやつなのかもしれないな、とオリスは思いました。